しかし、これまでの科学のさまざまな知識をもとにして考えれば、水が言葉の影響を受けて結晶の形を変えるということは、あり得ません(「水からの伝言」を信じないでください)
こういう文章をよく見かけますが・・・この言葉を、超音波・音波・振動に置き換えるとどうでしょうか? 水というのは、つねに同じ成分ではなく、イオン化も含めていろいろな状態にいます。
(中略)
音は空気振動ですから、一定の強さで長時間振動させた場合それが効果がないと言い切るのは、実験を経ないといえないことで即、トンデモとは言い切れません
このエントリの方がよっぽと科学的に見えて非科学的である。
「水からの伝言を信じないでください」が問題にしているのは、空気振動が結晶化に影響するか、などどいう事ではない。「ありがとう、といった良いとされる言葉によって結晶が奇麗な形状になるのか、悪いとされる言葉によって汚い形状になるのか」という点である。音波のもつ、波長その他諸々の物理的性質が物理的現象が結晶化という現象に何らかの影響を与える可能性があるかどうか、と言う点は問題にしていないのである。
もちろん「ありがとう」という言葉を発するときの発声の仕方と「氏ねゴルァ」という発声の仕方の違いによって、波長その他の違いが生じ、何らかの違いを与える可能性はある。しかし、ヒトの主観的な言葉の善し悪しが、そのままヒトの主観的な結晶の見た目の善し悪しに影響するということはあり得ない。すなわち「人間の道徳心が物理現象に影響するということはあり得ない」ということであり、さらに言えば「道徳心は水に決めてもらうものではない、自分たちが自ら考えて決めなくてはならないものだ」というのが「信じるな」の主張なのである。
上記エントリの「水からの伝言を信じないでください」には非科学な点があるというその主張の仕方は、論点をずらし、都合の良い引用をし、さらに理系院卒などと名乗って権威付けしようという点も含め、限りなく似非科学のそれに近い。非常に悪質だ。