永久機関は科学になりえるのか?

http://d.hatena.ne.jp/paulownia/20071201/1196520970の続き

こういうレッテル張りみたいなやり方じゃ疑似科学と大差無いんじゃ…永久機関だって、ちゃんと科学的方法にのっとれば疑似科学じゃない。理論で否定されても実験、追試で確かめられれば認められる可能性はある。

http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/DocSeri/20071128/1196234450

それは永久機関はできる、と主張する疑似科学者が陥る典型的な誤謬というやつです。永久機関という考え方そのものが科学的方法に則ることができないんです。

かつて多くの科学者達が永久機関にチャレンジしましたが、それはことごとく失敗しました。そこで彼らはこの試みが何故うまくいかないのか考え、いろいろな自然現象を説明する理論を付け加え、発展して熱力学となりました。

理論が永久機関を否定しているのではありません。「永久機関が作れない」という事実から理論が生まれているんです。そして熱力学が正しく、永久機関は不可能であるという多くの証拠を様々な自然現象が提示しています。

そもそも理論が先にありきの学説なんて存在しません。自然科学はすべて自然界で観察される現象を説明するところからスタートしているんです。

地動説やニュートン力学相対性理論量子力学のような、過去に科学のブレイクスルーとなった理論は、なんの前触れもなく一人の天才科学者がいきなり思いついた新説ではありません。当時の理論では説明の付かない多くの問題があり、それを説明する新しい仮説が生まれ、仮説が正しいと裏付ける証拠を積み重ねて生まれた理論です。

もし永久機関が可能なら、まずエネルギー保存則や仕事の原理など物理現象のごく基本的な法則にも従わない特殊な状況が発見されるでしょう。しかしそのような現象は何も見つかっていません。熱力学を根本的に見直す必要があると示唆する現象、証拠もありません。よって永久機関というものは全くの戯言でしかなく、そこに科学の手続きなんて存在しないのです。


相対性理論を否定する全ての説は、単に相対性理論が理解できなかった奴の戯言であると断言できる。

の言葉を借りれば

永久機関を肯定する全ての説は、単に熱力学が理解できなかった奴の戯言であると断言できる。

という事になるのです