MacのThunderbolt 4とThunderbolt/USB 4

MacBook AirMacBook ProはいずれもThunderboltポートを搭載しているが、表記が異なっている

左がMacBook Air、右がMacBook Pro、Thunderbolt/USB 4とThunderbolt 4は何が違うのか

先に結論

MacBook ProのUSB-CポートはThunderbolt 4とUSB4に対応している。

Thunderbolt 4はUSB4準拠しているため単にThunderbolt 4と書くだけでUSB4として動作することが示される。よってUSB4の表記は省略されている。

MacBook AirのUSB-CポートはThunderbolt 3とUSB4に対応している。

Thunderbolt 3はUSB4準拠ではないのでUSB4が使えることを示すために Thunderbolt/USB 4 と併記している。またThunderbolt 3規格を超えたスペックを持つため3というバージョン番号を表記していない(これは想像)

Thunderbolt 4とUSB4

Thunderbolt 4はUSB4に準拠した規格である。このためThunderbolt 4と書かれていればUSB4として完全に機能することを意味する。

またThunderbolt 4はUSB4よりも高機能で、例えば

  • Thunderbolt 3との互換性。USB4ではThunderbolt 3の機器が使えないことがあるが、Thunderbolt 4では必ず使用できる
  • PCIeデータ通信やビデオ入出力。USB4ではオプションで実装されてなくても良いが、Thunderbolt 4では必須である

といった違いがある。「Thunderbolt 4 = オプション全盛りフルスペックUSB4」と覚えておけば大体間違いない

Thunderbolt/USB 4とUSB4

MacBook AirのThunderbolt/USB 4ポートはThunderbolt 3とUSB4の規格に準拠している。

Thunderbolt 3はUSB4のベースとなった規格であり互換性があるが完全ではない。例えば複数の周辺機器の接続方法に違いがある。Thunderbolt 3はデイジーチェーンだが、USB4はハブである(Thunderbolt 4はUSB4互換なのでハブも使える)

MacBook AirのPortはThunderbolt 3としてもUSB4としても完全に動作するので Thuderbolt/USB 4 と表示しているのだろう

Thunderbolt/USB 4とは何か

MacBook AirのポートはThunderbolt 3に準拠しているが、Thunderbolt 4を名乗るには力不足である。Thunderbolt 4では4K x 2または8K x 1のビデオ出力が要求される。だがMacBook Airでは外部ディスプレイが1つしか接続できないため、4K x 2のビデオ出力というスペックを満たしていない。

その一方でThunderbolt 3の要求以上の性能を持っている。先に書いたようにThunderbolt 3の周辺機器の接続方法はデイジーチェーンでハブは使えないはずだが、MacBook AirにThunderbolt 4のハブを接続すると動作してしまう。またThunderbolt 3のPCIe通信の最低要件は16Gbpsだが、MacBook AirにThunderbolt 4 NVMe SSDを接続するとREAD 2750MB/s = 22Gbpsという速度が出る。Thunderbolt 3を超えているので3という数字を明記したくなかったのかもしれない。

他にもマーケティング上の要望で過去の仕様であるThunderbolt 3という名前を載せたくないという事情もありそうだ。これらを踏まえて3というバージョン番号を外しているのではないだろうか