排除されるIE6

マイコミジャーナルが伝えるところによると、英国で政府機関におけるInternet Explorer 6の利用を中止するように働き掛ける署名活動が開始されたそうだ。

英国政府では利用のために IE6が必要なシステムもまだ多いそうだが、それを更新してIE6を捨てさせようというのが目的だそうだ。 IE6はセキュリティ的な問題があるほか、古い技術しかサポートしていない。しかし IE6ユーザーはまだ多く、そのため開発者は多くの労力が必要なIE6対応を課せられている、という主張だ。

マイクロソフトのIE6囲い込み戦略は上手くいきすぎて、自社製品のアップグレードすら疎外してしまった。

マイクロソフトの最適戦略は、圧倒的シェアを生かしてウェブ標準なんか無視して独自路線でIEを進化させつづける事だった。しかし、シェアの高さに溺れてIE6のバージョンアップを止めてしまったため、機能や性能でウェブ標準を実装した次世代ブラウザたちの後塵を拝する事になり、結果、独自路線を捨てウェブ標準を実装せざるを得なくなった。こうして旧世代のIE6の機能に依存したウェブアプリケーションは次世代ウェブの世界から取り残され、IE6を捨てる事ができなくなってしまったのだ。これもマイクロソフトの戦略ミスの結果だ。

そういえばFlashが歓迎された理由の1つに、各ブラウザの実装の違いを気にしなくて良いというのがあった。ウェブ標準の普及によってFlashのメリットの1つがなくなってしまったが、HTML5のvideoタグのサポートなんかで揉めている所を見るとFlashが付け入る隙が残っているように思う。