ユーザビリティに触れるならボタンのラベルにも注目して

「OK」と「キャンセル」、どちらが有効か

この記事ではボタンの配置にしか触れられていないが、Mac版とWindows版のパワーポイントで保存ダイアログのボタンラベルが違うという点にも注目したい。

パワーポイントのファイル保存確認ダイアログのボタンラベルを見ると

  • Windows版は「はい」「いいえ」「キャンセル」
  • Mac版は「保存」「保存しない」「キャンセル」

となっている。

Mac版はボタンのラベルだけで、説明文を読まなくても何が行われるか分かる。時々ヒネくれたフリーソフト開発者が「保存しないで閉じますがよろしいですか?」というダイアログを出すことがある。このような確認メッセージがそもそも良くないのだが、仮にそういう問いかけをされても、Mac版のボタンラベルならば間違う可能性は低い。

「はい」「いいえ」という二択はキーボード操作のCUIでは使いやすい。編集したファイルを保存するとき、saveと打つよりも、yと一回打つだけの方が楽だ。色んなコマンドを覚える必要もなくなる。しかし、マウスでコンポーネントを選択し、クリックして決定するGUIによる操作では「はい」「いいえ」で選択肢を提供されてもあまりメリットは無い。

ボタンを押すことは何らかの処理を開始する合図である。よって、ボタンが押された場合、何が起きるのか分かる動詞をラベルとするのがユーザに優しいUIだろう。