問題を抽象化すること

日能研の広告「シカクいアタマをマルくする」、電車内での暇つぶしにちょうど良い。今日の暇つぶしのネタはこれ

AとBの回答を見ると10問中6問が逆の回答をして、4問同じ回答をしている。AとBの得点はそれぞれ80点と20点。ということは回答が逆になっている6問(1,4,6,7,8,9)は、Aの回答が確実に正しいと言える。これら6問はCも正解である。

残りの4問(2,3,5,10)は、AもBも同じ回答をしており2問正解している。Cは70点なので3問誤答がある。もし、Cの誤答が3,5,10であったら、AとBは三問正解になってしまう。よって答えは2。

という感じで理詰めで解けるけど、もっと速く解ける方法がある。この問題は、10の選択項目の中から、1つに絞れ、と言っているだけである。そして、選択項目はいずれも等価で3人の回答の組み合わせが異なっているだけである。ということは、10の選択項目、すなわち3人の回答パターンの中で1つだけ他と重複しない回答パターンがあるということ。そうでなければ1つに絞ることはできない。他と重複しないパターンは、三人とも○と回答している2問目しか無い。

これは、いわゆる受験テクニック的な解法。出題意図を無視して「一つだけ違うパターン」を見つけ出せ、という内容に問題を置き換えてしまったものだ。あまり褒められた解法ではない。ただ、そういう別解を見いだす事それ自体は悪くない。問題を別の角度から眺め、問題を単純化、抽象化するという能力は役に立つ。受験テクニックが悪いのは、ただの解法ノウハウの暗記になっていること。楽な別解を見つけ出す、ある問題を単純化、抽象化してより容易な解決法を見いだすという能力は役に立つものではないだろうか。