プロジェリアの子

プロジェリア症候群のアシュリーという女の子は、生命の神秘とか畏怖に対するイコンというかシンボルのようなもの祭り上げられていた気がするけど、それは自分の興味の範囲外。

遺伝子の異常によって、普通の10倍近いスピードで年老いていくこの病気は、800万人に1人という難病で、平均寿命はわずか13歳。

このような若年で死に至る遺伝子の疾患は、遺伝子の変異が次世代に伝わらないので発生率が極めて低い。遺伝子の変化が次世代に伝わる前に死亡してしまうため、遺伝病を引き起こす変異は蓄積せず、偶然による突然変異だけが発症の原因となる。劣性遺伝の場合は別だが、プロジェリアは劣性遺伝とは考えられてないようだ。

2003年には本症の原因遺伝子が特定され、患者のヒト1番染色体上にあるラミンA(LMNA)遺伝子の異常により正常遺伝子と比較して構成塩基が1個入れ替わっており、核膜に異常を来たし、老化の促進を引き起こす最も大きな要因となることが病因であると判明した[1]。

たった一個の塩基対の変化が原因らしい。

ところで人間の核内のDNAには30億以上の塩基対がある。ということは突然変異の発生確率が一定だとすると人間は一世代で 30億 ÷ 800万 で 37程度の塩基対が突然変化していると推測できる。実際どうなんだろう、こんな単純な話ではないとは思うけど。