本を選ぶ基準が難しい。

新書を買うときは大抵タイトルで決める。たとえば昨年ベストセラーとなった「人は見た目が9割 」。この本は顔が良いヤツがモテる、とかそんな話ではなく、ノンバーバル(非言語)コミュニケーションとはどういうものか解説している本だ。決して俺がモテないのは性格や中身が悪いせいではなくて顔のせいであって、駄目な奴は努力しても無駄、という内容の本ではない。

しかし、これが「非言語コミュニケーション」といった地味なタイトルであったら、これほどの売れることはなかっただろう。タイトルを見て、やっぱモテる秘訣は外見ですよね〜と考える層がいるから売れたのではないだろうか。

この本のAmazonの批評を見るとタイトルに釣られて購入した人々の恨み言で埋まっている。新書はいくら内容がよくてもそれだけでは売れない。とにかく人を引きつけて手に取ってもらう必要がある。だから、「人は見た目が9割」や「バカの壁」のようにタイトルがアジ化するのも必然といえる。

一方、小説はどうであろうか。紀伊国屋のサイトでは昨年の売り上げベストセラーが見れるが、何の予備知識もなければタイトルに惹かれて手に取ってみたい、という本はあまりない。マンガも同じようなものである。どこの誰が「のだめカンタービレ」なんて意味の分からないタイトルの本を買うだろうか? 「ハリーポッターと秘密の部屋」なんて駄作臭のプンプンする間違っても買わないタイトルだ。

小説の場合、なんたら賞作品、好きな作家、友人のお勧め、ドラマの原作、そんなのが購入の動機のほとんどだろう。最近ではamazonのお勧めで、という購入理由もあるかもしれない。いずれにせよ派手なタイトルで気を引く必要はない。また、タイトルも含めて作品と見ることもできるため、マーケティングのためだけに派手な名前をつけるというのは考えにくい。

小説の場合、特に好きな作家が居ないので、ある程度情報を仕入れていないと基準がなく、選ぶのが難しいのだ。

で、長々と何を書いているかというと、昼休みに本屋に逝ってぐだぐだ悩んで何も買わなかった言い訳。