愛国心がないと応援もできないとは面倒な話だな

愛国心が無いと日本代表の応援もできないとは難儀な話だ。本当はサッカーをダシにして教育論だの愛国論だの語るの止めてほしいのだけど…。

あるのか、ないのか、それが問題だ-日々是自己主張

愛国心を否定する日本人が日本という国に自ら帰属意識を持って日本代表を応援するのはおかしいんじゃないの?

愛国心を否定するなら、自分が「日本人」であるということも否定してしまえばいい。

「日本人」という概念は明治以降の近代的な概念です。「愛国」という概念もまた近代的な概念です。愛国心の根本はフランス革命に発祥した「国民」や「近代国家」の概念です。

「日本人」という概念自体が「日本」という国家を基準にしたひとつの縛りであるからです。それほど国家や政府による縛りを否定したいなら、自分が「日本人」であるという縛りからも解放されたいとは思わないのかな

確かに、実は多民族国家である日本の住人を日本人という一つの概念でまとめたのは明治以降のこと。しかし、明治以降の近代的な概念だからといって、その日本人の概念の定義が今でもそのままの形で通用するのかと言われると、疑問を感じる。国家への帰属だけが日本人のアイデンティティなのだろうか。アメリカ国籍を取って移住したからといってサッカー日本代表を応援してはいけないなんてことはないはず。

極東の島国の生まれ、白いご飯とみそ汁と、日本の伝統的な芸術が好き、という理由で自分が日本人であると認識したっていいと思うのだ。それは「日本の風土や文化を愛する」という形の愛国心かもしれないが、いずれにしても日本人であることに「日本という国への帰属意識」が必要条件とは思えない。ま、これは日本人というより大和民族のアイデンティティかもしれないな。

日本は幸運にも天皇家が2600年も続いて、大きな意味ではずっと一つの国であったと言えるかもしれない。が、世界的に見れば国家なんていつ崩壊して別の体制に代わるかなんて分からない。そんなものにアイデンティティを寄せなくてもいいと思うんだけど、いくらなんでもアナーキスト的すぎるかな。まぁ、何にせよこんな事で悩めるなんて国を失って放浪したユダヤに比べれば幸せなことなんだろうな。